●マンション等の建物の場合の追加記載事項
マンションは法律的には、区分所有権の目的である建物という言い方で、問題が出ます。不動産物件を取引した場合の重要事項に加え、マンション等は別に追加の記載事項があります。ここではその内容を、箇条書きで解説します。ここは試験によく出るところです。
区分所有権の目的である建物の場合の追加記載事項
□敷地の権利の種類、内容
この建物が建っている土地は敷地利用権が所有権か、借地権か、土地の面積、借地権なら地代、存続期間などを説明します。
□管理人室、集会所、廊下、エレベーター等の共有部分の規約、内容
□マンションの1住戸(専有部分)の用途、その他の利用制限の規約、内容
わかりづらいので例を出しますと、マンションを買った人が、なんでも好きなようにして、周りの住戸の人に迷惑がかかっては、困ることになります。店舗に使って、出入りの音で迷惑したり、ペットを飼っていいかなど、使っていいこと、ダメなことを規約できめています。住む人はそれを知らなければなりません。これは賃貸も同様です。管理業務の内容は不要です。
□バルコニー、専用庭等、専用使用権の規約、内容
□マンション等、一棟の建物の計画的維持修繕費、管理費、その他所有者が負担する費用、特定の者のみ減免する旨の規約、内容(専用庭、専用駐車場等のこと、使用者の氏名、住所は説明は不要)
□計画修繕積立金の規約、内容、積立金の額
建物の老朽化に備えて、修繕積立金を積み立てます。滞納金も伝えます。
□マンション所有者(区分所有者)が負担する通常の管理費
毎月の管理費の説明と、滞納金の額も伝えます。
□建物・敷地の管理委託がされているときは、その委託先名、住所等
管理の委託先の会社名等、所在地を説明します。トラブルの対処などにも必要事項です。
□建物の維持修繕の実施がされているときは、その記録と内容
マンションの場合は、宅建士は今までの重要事項に追加して、上の事項を説明する必要があります。賃貸マンションの場合は、専有部分の用途、その他の利用制限の規約、内容と建物の管理が委託されているときの委託先名、住所等を説明すれば良いことになっています。
※規約の定めがあるとき、規約がまだ草案の段階でも、説明します。当然これらがないときは、説明は不要です。
●宅地・建物の賃借の場合の記載事項
賃借の場合も、説明する記載事項があります。土地と建物では違うところを覚えておくと、試験でよく出題されるところなので、助かると思います。
宅地・建物の賃借の記載事項
□登記された権利
□法令に基づく制限
□私道負担 ×建物の場合は不要
□電気・ガス・水道の状況
□未完成物件の完成時の形状、外観、構造等
□土砂災害警戒区域に関する事項
□造成宅地防災区域に関する事項
□石綿(アスベスト)を使用したかどうかの調査の結果記録に関する事項 ×宅地の場合は不要
□耐震診断に関する事項 ×宅地の場合は不要
□借賃のほかに授受される金額・目的
□契約解除に関する事項
□損害賠償の予定金額、または違約金に関する事項
□支払金、預かり金を受領する場合の保全措置あるかないか、概要
□トイレ、浴室、キッチン等の状況 ×宅地の場合は不要
□契約期間、契約更新に関する事項
□定期借地権、定期借家権に関する事項
□宅地、建物の用途、利用制限
□契約終了のときの金銭の清算に関する事項
□管理委託先の氏名、住所等
□契約終了のときの宅地上の建物の取り壊しに関する事項内容
×建物の場合は不要
□マンションなどの区分所有権の目的である建物の場合
専有部分の用途、利用制限に関する規約があればその内容。管理委託先の氏名、住所等
