
●宅地建物取引業保証協会の加入
宅建業者が保証協会へ加入するのは任意です。宅建業者は保証協会に加入しょうとする日までに、弁済業務保証金分担金を納めます。その分担金を、保証協会が供託所に収めるのが弁済業務保証金です。
※宅建業者は2つの保証協会に加入することはできません
●弁済業務保証金分担金について
宅建業者は、保証協会に加入するまでに、弁済業務保証金分担金(分担金)を納めなくてはいけません。収める分担金の金額は、主たる事務所60万円、従たる事務所1カ所につき30万円となっています。営業保証金は有価証券でも良かったのですが、分担金の納付は現金のみとなっています。この制度は小さい規模でも、宅建業を営めることが出来るようになりました。(営業保証金の100分の6です)
例えば本店1カ所と支店3カ所の場合の分担金は
本店60万円+支店30万円×3=150万円となります。
●弁済業務保証金の供託
宅建業者から分担金を受けた保証協会は、受けた日から1週間以内に納付額に相当する弁済業務保証金を供託所に供託しなければなりません。保証協会が供託する弁済業務保証金は分担金とは異なって、有価証券でも良いことになっています。(評価額は営業保証金の場合と同じです)そして保証協会は、供託書の写しを添付して、免許権者に届出をしなければなりません。
※弁済業務保証金の供託するところは、法務大臣および国土交通大臣の指定する供託所で、東京法務局になります

●弁済業務保証金の還付
営業保証金の還付の場合と同じです。保証協会の社員(会員)と宅建業の取引をした者が、その取引に関して発生した債権について弁済をしてもらう制度です。
※宅建業者が保証協会の社員になる前に取引した者も含みます
弁済業務保証金からの還付金額は、宅建業者が社員でない場合、供託しなければならない営業保証金と同じ金額の範囲になります。
例えば、宅建業者が60万円の弁済業務保証金分担金を納付していた場合は、取引した相手は1,000万円の限度で還付が受けられます。還付を受ける者は、弁済額について保証協会から認証を受ける必要があります。
※認証とは、弁済相当の債権があることを認めること
▶︎ 弁済業務保証金の不足額の供託
弁済業務保証金の還付が行われると、国土交通大臣から還付による不足額を供託するよう、保証協会は通知を受けます。保証協会は、その通知を受けた日から2週間以内に還付された弁済業務保証金の額に相当する弁済業務保証金を供託しなければなりません。当然、保証協会は供託した分が不足になります。

▶︎還付充当金の納付
弁済業務保証金の還付があった場合、保証協会は宅建業者(社員)に通知し、還付額に相当する還付充当金を、保証協会に納付するように請求します。宅建業者は、通知を受けた日から2週間以内に納付しなければなりません。その期間内に納付しないときは、保証協会の社員の地位を失います。
宅建業者が倒産した場合、還付充当金が納付されない事態が発生したときは、保証協会は弁済業務保証金の利息などを充てるようにしています。これを弁済業務保証金準備金といいますが、これでも足りないときは、宅建業者(社員)に特別弁済業務保証金分担金を納付するように義務付けています。宅建業者(社員)は通知を受け取ってから1週間以内に納付しないときは、保証協会の社員の地位を失います。
●弁済業務保証金の取戻し
保証協会は弁済業務保証金を取り戻すことができる場合があります。
・社員(宅建業者)が社員の地位を失ったとき、供託した弁済業務保証金の全額を取り戻しできます。
・社員(宅建業者)が一部の事務所を廃止し、弁済業務保証金分担金の額が宅建業法の規定の額を上回ったときは、上回った額のみ取り戻しができます。
●保証協会の社員の地位を失ったとき
宅建業者が保証協会の社員の地位を失ったときは、失った日から1週間以内に、営業保証金を新たに供託しなければなりません。