宅建士英文タイトル

LESSON6 免許(2)

ここでは免許の欠格要件を学習します 

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免許欠格イメージ
●免許の欠格について
 宅建業法では、 宅建業者としてふさわしくない者に対して、免許を与えないことにしています。これを免許欠格者といいます。免許を与えない事由として、大きく5つに分類されます。ここでは会社だけでなく、役員も関連してきますので、重要なポイントです。

 
●能力の問題 ●免許の取消 
●暴力団関係 ●犯罪で刑罰 
●宅建業不正 ●その他
 


 ●能力に問題がある場合
▶️成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないものは免許が与えられません
 成年被後見人、被保佐人とは、法律用語で重度と中度の精神障害者のことです。契約上の問題が出たなどの場合に、対処できなく、取引の安全が図れないと考えられます。

 破産者で復権を得ない者とは、負債があり、これを返済できなくなって、破産手続開始の決定を受け、資格を回復していない者のことです。当然、大金を扱う宅建業者には不適格です。ただし復権を得れば、5年の経過を待たなくても、直ちに免許が受けられます。 


●免許の取消が事由の場合

免許が取り消されてから5年を経過しない者は、宅建業の免許を与えられません。
▶️免許取消から5年経過していない場合
 不正の手段により免許を受けた場合、業務停止処分に該当し、情状が特に重い場合、業務停止処分に違反した場合のいずれかにあたり、免許を取り消され、取消の日から5年経過しない者は、免許を取得できません。
▶️法人(会社等)が免許取消の役員の場合
 上と同じ理由で、会社が免許を取り消された場合、役員も法人と同じように5年間は免許を取得できません。法人の場合は、取消の前に聴聞があり、その期日、場所の公示の日前60日以内に役員であった者で、取消の日から5年を経過しない者は免許を取得できません。
※聴聞とは、宅建士や宅建業者に監督処分をする前に、処分する者の言い訳を聞く手続きのことです
▶️聴聞公示日後に廃業等の届出をした者の場合
 免許取り消し処分の聴聞の期日及び場所が、公示された日から処分を決定するまでの間に、相当の理由がないのに、廃業等の届出をした者で、その届出から5年を経過しない者は、免許を取得できません。これは宅建業法をくぐり抜けるのを防ぐために設けられたものです。廃業等の届出が止むを得ず、相当の理由がある場合は、欠格事由に当たらないとしています。
▶️聴聞公示日後に廃業等の届出をした法人の役員の場合
  免許取り消し処分の聴聞の期日及び場所が、公示された日から処分を決定するまでの間に、相当の理由がないのに、合併により消滅した法人、または廃業等の届出をした法人の聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内に役員であった者で、合併の消滅または廃業等の届出から5年を経過していない者は、免許を取得できません。
※ここでいう役員とは、取締役、執行役、理事、相談役、顧問など法人に対し業務を執行する者をいいます。監査役、監事は含まれません。

 免許取消から5年経過していない場合
免許取消1免許取消1

法人(会社等)が免許取消の役員の場合 
免許取消2免許取消2
 
 聴聞公示日後に廃業等の届出をした者の場合
免許取消3免許取消3

 聴聞公示日後に廃業等の届出をした法人の役員の場合
免許取消4免許取消4

図をクリックすると拡大します

●暴力団員関係
 暴力団員による不当行為の防止等に関する法律に規定し、暴力団員または同号に規定する暴力団員で亡くなった日から5年を経過しない者は、免許が取得できません。暴力団を宅建業界から排除するために規定され、平成26年の改正によって追加された欠格事由です。

 
暴力ウサギ

 ●刑罰で罰則
 ここではさまざまな犯罪行為を行い、罰金刑や禁固刑に処せられた者は、刑の執行終了か執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ、免許を取得できません。
▶️罰金刑に処せられた者
 右上部に表示する罪を犯し、罰金刑に処せられ、その刑の執行終了か執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者です。

 ・宅建業法違反・傷害罪・傷害現場助勢罪・暴行罪・凶器準備集合収集罪・脅迫罪・暴力団による不当行為の防止に関する法律違反・背任罪
※過失傷害罪、贈賄罪などで罰金刑の者は免許が取得できます
▶️禁固刑以上の刑に処せられた者
 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行が終了、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者です。
※執行猶予がつき、期間が満了した場合は、ただちに5年の経過がない場合でも、免許が取得できます。 


●宅建業不正
 宅建業に関する不正行為をおこなったものを排除するためのものです。一つは免許申請前5年以内に宅建業に関し、不正または不当な行為をした者です。もう一つは宅建業に関し、不正または不誠実な行為をするおそれがあきらかな者です。

やはりこの者たちにも、免許を与えることはできません。
例えば無免許で宅建業の営業を行ったり、重大な契約違反や詐欺を行った前歴があり、これからも不正行為を繰り返すことがはっきりしている場合です。


●関係者に問題がある場合
 いままでは免許申請者が問題のある場合でしたが、免許申請者の関係者に問題がある場合です。
▶️未成年者の法定代理人に問題がある場合
 宅建業の営業に関して、成年者と同一の行為能力を持たない未成年者で、その法定代理人(親権者などの保護者)が、いままでの欠格事由のどれかに当てはまる場合は、免許を取得できません。
※宅建業の営業に関して、成年者と同一の行為能力を持たない未成年者とは、宅建業の営業の許可を得ていない未婚の未成年者のことです
▶️法人の役員等に問題がある場合
 法人が新しく免許を申請する場合、その法人の中に、いままでの欠格事由のどれかに当てはまる役員等がいる場合は、免許が取得できません。

▶️個人業者の使用人に問題がある場合
 個人業者として宅建業の免許を申請する場合、政令で定める使用人に、いままでの欠格事由のどれかに当てはまる者がいる場合は、免許を取得できません。
▶️免許申請書の不備等の場合
 宅建業法では、免許の申請手続の際に、申請書・添付書類の重要事項に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載漏れがあった場合は、免許が取得できません。
▶️暴力団員等が活動を支配する場合
 事業活動を支配する者が暴力団員等である場合は、免許が取得できません。
これは宅建業界から暴力団員等を排除するために、平成26年の法改正によって追加されたものです。