宅建士英文タイトル

LESSON20 権利関係の全体

ここでは、民法を中心にさまざまな法律を学習します。
権利関係とは、民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法を総称したものです。

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●権利関係の法律
 いままでは法律の中でも、私法である民法の中の宅建業法を学習してきました。これからは権利関係、特に民法を中心に借地借家法、区分所有法、不動産登記法の4つの法律を学習します。宅建試験では民法のところが一番出題されます。
法律用語の意味と問題文の理解がポイントになります。

 後半では、公法である都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法と進んでいきます。
 宅建業に関係のある法律を中心に、全体を下の図を見ながら、確認していきましょう。

権利関係全体図

●民法の3つの基本原則
 民法には全体を通じて、基本的な考え方を示すものが3つあります。私的自治の原則(契約自由の原則)、所有権絶対の原則、過失責任の原則がこれにあたります。民法を理解するうえで、大切なことですので、簡単に解説します。
▶︎私的自治の原則(契約自由の原則)
 人が権利を取得したり、義務を負うことは、自らの自由な意思によらなければならない、ということです。この原則をもとに契約を適用させると、契約自由の原則ということになります。これは契約が、誰とどのような内容の契約をしても、本人の自由であるということです。しかし自分で契約したことは守ることが義務であるということでもあります。ところがこれですと、不都合な契約内容も出てきます。契約当事者の力関係が影響することもあります。そこで例外が認められています。これは弱者の保護を目的としたものです。
※私的自治とは、個人の私法関係を各人の意思のままに規律すること、近代私法の基本原理
※私法とは、私益または対等な国民の生活関係について規定した民法、商法などの法律の総称

▶︎所有権絶対の法則
 ここでは不動産関係として、土地・建物を自由に使用、処分、収益できる権利を所有権といいます。そして他人はもちろん、国家もこの所有権を侵すことはできないという原則を、所有権絶対の原則と言います。ただし、絶対ではなく、法令の制限内において、となっています。一般社会において不都合のないように、規定しています。
▶︎過失責任の原則
 故意・過失の帰責事由がなければ、人が損害賠償等の責任を負わされることはないという原則です。人に過失がないのに、その人の行為によって損害が発生したとしても、損害賠償責任を負わされることはない、ということです。しかし現在はこの原則も修正されています。
 無過失責任と使用者責任があります。故意または過失がなくても負わなければならない責任を無過失責任使用者が損害の発生に直接、故意・過失がなくても、被用者の選任、監督に過失があれば、被用者の加えた損害を賠償しなければならないのが、使用者責任です。これについての詳しい内容は、これからの講座にもでてきますので、省略します。
※故意とは、わざとおこなうこと※過失とは、不注意という意味です。程度によって軽過失、重過失があります。
※帰責とは、刑罰や損害賠償などの法的な責任を負わせること


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権利関係がいよいよスタートしました。権利関係(民法等)は、言葉の意味と文章の理解力が重要です。
慣れない言葉がさらに増えますので、根気が大切です。つぎはLESSON21です。